コミュニケーションの基本は、聞く技術

今回の研修では日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーで、弊社取締役の石田が、コミュニケーションでの基盤となる「聞く技術」についての講義を実施しました。 
心理カウンセラーという仕事は「聞く」ことです。しかし単に「聞く」と言っても間違った聞き方をしてしまうと、話し手は心を閉ざしてしまったり、話さなくなってしまったりします。実は「心から聞く」ことは難しいのです。

家庭教師の先生として、生徒様やご家族の相談や悩みを相談されることもあります。そんなときに、うまく相手の話したいことを引き出す必要があります。その他様々な場面で役立つコミュニケーション技術について勉強しました。


特別講師 石田先生 (バイリンガル・パートナーズ取締役)

多くの人は、話し上手か聞き上手かどっちか?とたずねられると、「聞き上手」とこたえる傾向にあります。しかし、みなさんは本当に聞き上手なのでしょうか?
実は気づいていないところで、上手く聞けなかったことが原因で相手を傷つけたり、話すのをやめさせたりしていることがあるかもしれません。
もし本当に「聞き上手」になれたとしたら、家庭教師の生徒様との人間関係はもちろん、家族・友人・職場での人間関係が、さらに良くなるに違いありません。

そこでまず、聞き手(悩みを相談された人)が一般的に対応しやすいタイプをいくつか挙げ、それが自分に当てはまっていないかを確認してもらいました。
例えば、「今の環境から逃げ出したい」と悩んでいる人に対して、こんな対応をしていないでしょうか。

例1 命令・非難 ・・・ 「小さなことに悩むな!」「それは甘い」など
例2 脅迫・警告 ・・・ 「後悔してもしらないよ」など
例3 冗談・ごまかし ・・・ 「時間が経てば、気もラクになるよ」「ま、飲もうじゃないか」など

上記は一例ですが、話し手(相談を持ちかけた人)はただ聞いて欲しいだけなのに、このような対応をされてしまうと、話すのを止めたくなりますし、劣等感を感じるかもしれません。怒り出す人もいるでしょうし、受け入れられていないと感じるでしょう。

しかし、心理カウンセラーは決してこのような対応はしません。相談を持ちかける人自身の中に、解決法や答えがあることが多いので、それをただ引き出してあげる手助けをするのが、役目です。
そのために必要な技術が「受動的な聞き方」と「能動的な聞き方」です。

受動的な聞き方というのは、相手が話しているときに聞き手は沈黙したり、うなずいたりすることです。決して口を挟むことはしません。
話し手が途中で止まってしまったときだけ、「もっと知りたい」「詳しく聞かせて」と、あなたの話が聞きたいということをアピールします。

一方、能動的な聞き方というのは、その名の通り、聞き手も話し手に対してたくさん反応していきます。相手の言ったことを、繰り返してあげたり、長い話をまとめてあげたりします。これによって、話し手は「私の話をちゃんと聞いてくれている」と思うのです。

例えば、「この前のTOEICの点数、たったの500点だったんです。もう全然上がらないし、英語の勉強は諦めようかと考えています」と相談されたとします。能動的な聞き方としてどのような反応をすればよいのでしょうか。

もし、「それは低い点数だね。才能が無いんじゃないの」と言われると、話し手は何も話したくなくなるでしょうし、「それで十分、心配するなよ」と言われたとしたら、自分のことを理解されていないと思ってしまうでしょう。

このような場合には、相手の言ったことを素直に繰り返してあげればいいのです。「500点しか取れなかったから、英語はもう諦めたいと思っているんだね」と、言ってあげるのです。すると相手は「そうなんです!もう○年も英語を勉強しているのに、◆◇なんです!」とさらに続けて話をしてくれるでしょう。

この例のように、相手の言ったことをただ繰り返したり、話をまとめてあげるだけで、話し手はもっと話したくなります。こうすることで、悩みのさらに深い部分を引き出したり、その結果として、自分自身で心の中にある答えを見つけることにもつながります。

相手の話を繰り返し、まとめ、気持ちを汲んであげることで、話し手から気持ちを引き出してあげることが重要だということを研修参加者全員で、確認しました。そして研修後半に、参加した教師が二人一組になりワークショップも行いました。普段生徒さんからの相談や、話を聞く時、このようなことは意識しない人が大半ですが、当研修では生徒さんとの些細なコミュニケーションでもこのような方法が重要になってくる、生徒さんのやる気や勉強面での結果にも少なからず影響してくるということを意識させました。



以下に研修に参加した教師の感想をご紹介します。

塩見 仁彦
初めての研修で少し緊張しましたが、参加した皆さんもバイリンガルで楽に参加できました。心理カウンセラーの講義はとても興味深く、楽しんで聞くことができました。これからのレッスンに本日の講義は欠かせないもとだと思い、私自身英語を学ぶのに辛い経験をしているので、今回の講義を意識しながら、同じ気持ちでいる生徒さんを頑張らせたいです。

志和 陽介
聞き上手は話し上手だとテレビで聞いたことがあったのですが、今回実際に心理カウンセラー式の聞く技術を知ることができ、大変有意義な研修でした。今後パッシブ・アクティブ・リスニングを日常で活用し、生徒さんとのコミュニケーションを円滑にするためにも積極的に取り入れていきたいと思います。

根岸 祐子
実際に聞き手、話し手役をしてみて、バイリンガルの資質とは何なのかということも前よりも理解できるようになった気がしました。今回の研修で学んだことをレッスンでも使いたいと思います。生徒さんの目標などをより明確に、そして理解するのにもとても役立つと思います。

斉藤 幸
とてもためになりました。僕はいつも「冗談、ごまかし」を使って、場を明るくしながら人の話を聞いていましたが、これからはパッシブ・アクティブリスニングを使おうと思います。明日からインターに通う男の子に英語を教えますが、その前に研修に参加できて良かったと思います。

檜垣 万里子
石田さんのお話はとてもためになりました。誰かの話を聞くというのは普段できているようで、できていないのだと気づかされました。これらの手法を特別意識しなくても、自然にできるように心がけたいです。今日はありがとうございました。